フード袋の給与量は、避妊去勢後、活動量の少ない動物、高齢の動物では多すぎることがあります。より科学的な方法は、まずRERを計算し、その後にライフステージ、避妊去勢、活動量に応じてMERへ調整することです。
パッケージ表示は万能ではありません
メーカーの給与量は健康で比較的活動的な個体を前提にしていることが多く、すべての犬猫にそのまま当てはめると肥満リスクが高まります。
1. エネルギー要求量の基礎
1.1 代謝体重
必要エネルギーは単純な体重より kg^0.75 に近い形で変化します。 小さい個体ほど体重1kgあたりの必要エネルギーが高くなります。
代謝体重
必要エネルギーは単純な体重より kg^0.75 に近い形で変化します。
小型動物
小さい個体ほど体重1kgあたりの必要エネルギーが高くなります。
臨床的意義
この考え方で種差や体格差による誤差を減らせます。
1.2 消費エネルギーの主成分
RERは安静時の生理的必要量です。 MERは実際の生活条件を反映した値です。
- RERは基礎となる計算です。
- MERは日常条件を反映した目標値です。
- どの犬猫にも同じ式を機械的に使うべきではありません。
2. RERとMERの計算式
2.1 RERの定義
RERは安静時の生理的必要量です。
| 式 | 表現 | 使い方 |
|---|---|---|
| 標準RER | 70 x kg^0.75 | 幅広い体格で使用 |
| 実用的な近似式 | 30 x kg + 70 | 日常診療で使いやすい近似 |
RERの考え方
RERは安静時の生理的必要量です。
2.2 MERの定義
MERは実際の生活条件を反映した値です。
MERの考え方
MERは実際の生活条件を反映した値です。
2.3 よく使う係数
子犬と子猫では高い係数が必要です。 多くの症例で必要カロリーが低下します。 活動量低下により維持エネルギーは下がりやすくなります。
| 状況 | 代表的係数 | 意味 |
|---|---|---|
| 成長期 | 成犬成猫より高い | 発育に追加エネルギーが必要 |
| 健康な成犬成猫 | 中等度 | 安定した生活と通常の活動量 |
| 避妊去勢 / 低活動 | 低め | 肥満リスクが高い群 |
| 妊娠、授乳、作業 | 高め | 必要量が明確に増加 |
成長期
子犬と子猫では高い係数が必要です。
避妊去勢後
多くの症例で必要カロリーが低下します。
シニア期
活動量低下により維持エネルギーは下がりやすくなります。
運動量
運動や作業量が多いとMERは大きく上がります。
減量時
肥満症例の減量では理想体重を基準にします。
3. カロリーを給与量へ換算する
3.1 給与量の式
最終的なグラム数はフードのkcal/gで決まります。
給与量設計
最終的なグラム数はフードのkcal/gで決まります。
- 体重からRERを求めます。
- 状態に合うMER係数を選びます。
- kcal/gで割って1日の給与量を算出します。
3.2 計算例
水分量が多くても総カロリーは別に評価する必要があります。 エネルギー密度が高く、小さな誤差が積み重なりやすいです。
- 可能ならフードのME値を使います。
- フード変更後は再計算します。
- おやつや人の食べ物も隠れたカロリーとして考えます。
4. 避妊去勢とライフステージの影響
4.1 なぜ避妊去勢後に太りやすいのか
多くの症例で必要カロリーが低下します。 活動量低下により維持エネルギーは下がりやすくなります。
避妊去勢後の注意
エネルギー消費が下がる一方で食欲が上がることがあり、同じ量を続けると過剰給与になりやすくなります。
避妊去勢後
多くの症例で必要カロリーが低下します。
シニア期
活動量低下により維持エネルギーは下がりやすくなります。
運動量
運動や作業量が多いとMERは大きく上がります。
5. フード表示とエネルギー密度
5.1 なぜ再評価が重要なのか
水分量が多くても総カロリーは別に評価する必要があります。 エネルギー密度が高く、小さな誤差が積み重なりやすいです。 おやつのカロリーも必ず1日の総量に含めます。
ウェットフード
水分量が多くても総カロリーは別に評価する必要があります。
ドライフード
エネルギー密度が高く、小さな誤差が積み重なりやすいです。
おやつ
おやつのカロリーも必ず1日の総量に含めます。
6. 実践的なモニタリング
体重だけでなくBCSの確認が重要です。 体型の変化に応じて定期的に補正します。
- 避妊去勢後は再評価します。
- BCSとMCSを一緒に追跡します。
- 食欲、便性状、活動量を毎回確認します。
- 計算値から開始します。
- 2〜4週間ほど体型を観察します。
- 変化に応じてカロリーを増減します。
最終ポイント
RERとMERは出発点であり、最終的な給与量は体型、筋肉量、経過観察で調整します。
モニタリング
体重だけでなくBCSの確認が重要です。
再評価
体型の変化に応じて定期的に補正します。